受動喫煙防止条例:素案修正、県議会の反発を抑え成立狙う |
2009/01/14 |
地域:全国 |
県の重要課題である公共的施設受動喫煙防止条例(仮称)の素案が13日修正されたのは、県議会の反発を抑えて条例成立にこぎ着けるのが狙いだ。修正により規制対象外となった業界団体は歓迎し、禁煙推進団体は「骨抜き」に落胆した。
対象外となったのは、県内飲食店の約7割を占める小規模店やスナック、パチンコ店やマージャン店といった娯楽施設など。昨年12月の条例素案でも、他の店舗とは異なり、3年間規制が猶予されていた。だが県議会は、営業不振への懸念とともに「猶予するなら今、条例を作る必要はない」と反発していた。
「例外は作らない」と繰り返し発言してきた松沢成文知事も「大きな目標は全面禁煙だが、一気に目指しても県議会の賛同を得られない」と譲歩せざるを得なかった。既に禁煙・分煙が進む公共施設やファミリーレストランなどに規制対象は限定されるが、松沢知事は「他県ではやっていない」と強調した。
規制対象外となったパチンコ店などが加盟する県遊技場協同組合の平川正寿理事長(55)は「致命的なダメージを避けられた。利用するかをお客が選べる施設は、努力義務にするのがいい」と歓迎。全国飲食業生活衛生同業組合連合会の小城哲郎専務理事(47)も「3年間の猶予期間内に対応しなければと覚悟していた。死活問題になるところだった」と安心した様子だった。
一方、NPO法人「日本禁煙学会」の作田学理事長(61)は「狭くて煙が充満する所こそ、規制しなければ意味がない」と憤った。3年後の見直しについても「他の国がどんどん対策を進める中、日本だけが遅れてしまう」と訴えた。
県は修正案を18日の県民集会や20日の県議会連合調査会で説明。条例案は2月定例県議会に提出される見通し。