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COLUMN コラム
バブルの恐怖再び!?

10 代後半の方ならいざしらず、 20 代以降の方ならば経験はしていないかもしれないが、異常な好景気であった十数年前の時代を『バブル』と呼んでいる事は既に存じていると思う。良く分からないという方の為に簡単に説明すると、この『バブル』とは主に不動産業界の異常な好景気状態を指しての言葉である。好景気ならば何の問題も無いではないか!と思われた方もいらっしゃるだろうが、問題は景気が良すぎて価値以上のものに銀行等の投資会社が投資をし過ぎていた点にある。例えるならば、景気がいいからといって本来 100 円の価値しか無い物に対して「人気が出て価値が上がるはず」と 100 円以上のお金を投資する様な物である。景気が良い時代は本当に価値が上がり、投資は間違っていなかったように思われるが、どこもかしこもこんな投資ばかりを繰り返せば、景気が傾きだす頃には本来の 100 円の価値でしかなくなり(それ以下の場合も多々あり)回収不可能となる。これがいわゆる『不良債権』となるのである。別に本コラムにおいて経済や不動産の話をしたいわけではない。ただ、この状況、私は現在のパチンコ店の大型化もしくは大型チェーン店の出店ラッシュと酷似しているのではないかと考えているのである。

まずパチンコ店の大型化に関してだが、現在ピーク時に 3,000 万人ともいわれていたパチンコ(スロット)遊技人口は平成 14 年: 2,100 万人、 15 年: 1,700 万人と年々減少している。もはやこれは減少というよりも『激減』のレベルである。本コラムにおいてはこの『激減』についての要因及び業界としての対策は割愛させていただくが、とにかく危機的な状況であると言えるのである。

一方、パチンコ(スロット)の設置台数はどうなっているのだろう。何とこちらは遊技人口に反比例し、設置台数は増加の一途を辿っているのである!それでは店舗数は?と調べると店舗数はこの不景気を反映するかの如く徐々に減少しているのである。賢明な読者ならば既に理解できたと思うが、要するに『店舗の大型化』が業界全体で進んでいると言う事である。店舗の大型化に関して私は苦言を呈するつもりは毛頭無い。人によっては専門店や中小店舗を好む方も多いだろうが、私自身はプライベートで遊技をする際の店選びは遊ぶ環境の良さ(通路が広い・台を選びやすい面)から大型店が中心になっているのが現状なのである。しかし、遊技人口が『激減』しているにもかかわらず、設置台数が増えている事に関しては違和感を覚えざるを得ない。当然の事ながら遊技機というのは無料ではない。パチンコならば 20 〜 30 万、スロットならば 25 〜 40 万円程で販売されている立派な商品なのである。パチンコ店は慈善事業ではないので出店もしくは新装開店で発生した費用は当然の如くお客様から回収する。要するに遊技人口が減り、台数が増えるという事は遊技者 1 人が負担する費用が大きくなってしまうと言う事なのである。中には「暇な時間をパチンコで潰す・別に勝ちたいわけじゃない」といった寛大なお客様もいるだろう。しかし、毎日パチンコ店に足を運ぶお客様は「勝ちたい」が大前提なのではないだろうか。これらの遊技客に対して、負担費用がかさむ事は当然「勝ちたい」人間の足が遠ざかる事につながるのでは?と考えてしまうのはおかしいだろうか。

次に大型チェーン店の出店ラッシュについてであるが、『出店ラッシュ』との言葉からパチンコ業界における店舗数は年々増加していると受け止められるかもしれない。しかし前記した通り、統計をみると店舗数は減少している。要するに強い店舗・弱い店舗の 2 極化が進んでいる状況といえるのである。とてもじゃないが私自身はパチンコ業界で新規出店が滞っているようには見えない。特に超大型チェーン店は月に 2 店舗程出店しているといっても過言ではないのではなかろうか。さらに様々なパチンコ業界の方とお話をすると 10 〜 20 店舗程のチェーン店も出店ラッシュの準備が出来ている(始まっている!?)様子が見え隠れしてならないのである。別にいわゆる『勝ち組』と言われる大型チェーン(大型化を目指す中規模チェーン)に「店を出すな!」と理不尽な事を言っているのではない。この国は民主主義であり、<企業>対<企業>の競争原理は当然「自由競争」が常である。しかし、大型店の中には明らかに新規出店の必要が無い地域(遊技人口が多くない地域もしくは遊技人口に対して店舗数が多すぎる地域)における出店のケースもあるのではないだろうか。このようなケースは数少ない遊技人口に対して設置台数が増える事により、既存のホールか新規店どちらが先に店をたたむ事結末を迎えるケースが多いのである。これでは元の木阿弥ではないか。 今、この業界に求められているのは「居なくなってしまったお客様をいかにして取り戻すのか」ということであり、決して「現存するお客様の取り合い」ではないと思う。何度か書かせて頂いているようにいつ何時も『パチンコは大衆娯楽』という考えをなくしてはならないのである。

このような歪んだ構造が続くようならば、私は近いうちに大型チェーン店の中にも倒産する企業が出てきてしまうのではないかと恐怖心に襲われてしまう。中小に比べ、 1 店舗を閉めたところで中小程の痛みはないであろうが、塵も積もれば経営自体にじわじわとダメージを与える事につながるであろう。そして大型チェーン企業が倒産する事でさらにこの業界に対する不信感が募り、景気が悪くなってしまう方向になるのではないだろうか。

人によっては「手遅れ」と語る方も中にはいらっしゃるが、私はこの二つの歪んだ構造(バブル)はまだ収縮できるレベルにあると思う。リーディングカンパニーである大型チェーン店が業界全体を見据えた経営戦略をとり、勢いのある中規模チェーンが「これはチャンス!」と無謀な追随しなければよいのではないだろうか。パチンコ店を経営していない身分で大層な事を書いてきたが、私共も業者レベルから考える事で業界全体に浸透させる事も重要な要素の 1 つであると私は思っている。少々おこがましいが、我々業界人が日々このように「いかにして業界全体を活性化させるか」について考えていくので、このコラムを読んだ方がパチンコを知らない友人・知人を誘い楽しい時間を共有してくれればとついつい考えてしまうのである。

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